酒とわたくし
2007.01.29 11:34
好きな酒のボトルについて語る前に、まずは自分と酒とのスタンスをもう一度考えてみたいと思う。「思う。」とかいって僕にこういう考察系文章を書かせると、どうしても物腰が硬い感じになってしまうのですが、気にしないでください。ほんとは上品で柔らかい感じのイケメンです。うそです。
僕にとって、酒は生活必需品ではない。だから、アルコールを摂取しない日もある。というか、しない日のほうが断然多い。しかし、紛れもなく酒好きなのである。それはどういうことか。
酒と人間との関係は大きく分けて2種類あると思う。それが生活必需品であるか、嗜好品であるか。言うまでもなく酒はアルコールを含有した液体のことで、飲むことで「酔い」という状態をもたらす。程よい「酔い」は確かに気持ちのいいもので、楽しい、面白い、というようなプラスの感情の振幅を倍増させてくれる。しかしその一方で「酔い」の間は、思考に一枚ヴェールがかかってしまったかのような違和感を覚える。道に沿って歩こうとしているのに、なんだか霧がもやもやしていてどっちにいけばいいのかわからず、そのままそこで立ち尽くしてしまう、そんなイメージ。
その作用に期待して飲む人も勿論いるだろう。でも、それは恐らく僕の「酒好き」とは違うベクトルを向いている。僕にとっての酒とは嗜好品で、味とそれを味わう雰囲気を楽しむものなのだ。一口にウイスキーといっても、大きくはスコッチやバーボン、ジャパニーズ等に分かれ、そこからさらに星の数ほどに分岐する。そしてその分岐の終点で「ボトル」という形になったとき、それぞれが違った歴史をもつ「酒」になる。それぞれの「酒」が持つユニークな物語とその味に向かい合うことで、それに思いを託した作り手と向かい合った気分になる。そんな時間が何よりも幸せなのだ。
酒造りのプライドの結晶であろう、そういう液体と向かい合う時は、僕もそれなりの礼儀を持って接しなければならない。そんな気がするのである。